アレルギーとは
| アレルギー
アレルギーになりやすい人(衛氣不足の人)
アレルギーになりやすいその原因はバリア力、すなわち防衛の衛に氣と書いて「衛氣」。文字通り身体を外敵から防衛する役割を担っています。いわば家を守る塀のようなもの。その能力が低下すると、粘膜の防衛力が弱り、花粉や風邪の菌も入ってきやすい為、花粉症をはじめ風邪などの症状も起こりやすくなります。守る力が強ければ、細菌、花粉などの異物が身体の中に入ってきにくいのです。またこの氣には固摂作用と言って閉める作用(水道の蛇口を閉める感じ)があるのですがこの氣虚(気がない)の状態では毛穴は広がった状態で鼻水は出っぱなしということになります。以上のことから漢方では衛氣が弱っている人がアレルギーになりやすい人と言うことになります。
身体の衛気度をチェック
厚着をしていないのに、汗をかくようになった
体温がもともと低い方だ
冷房が苦手で、冷え症気味
年中、風邪をひく
のどが弱くて炎症を起こしやすい
鼻が年中ぐずぐずしている
アレルギーにならない身体(体質)づくり
~アレルギーになるしくみ~
アレルギーになるしくみは西洋医学では肥満細胞から化学物質を放出して毛細血管から白血球やたんぱく質がしみ出し、粘膜が赤く腫れあがります。これが鼻粘膜で起こると花粉症、気管支で起こるとぜんそく、目で起こるとアレルギー性結膜炎、皮膚で起こるとアトピーになります。中医学では、古来より鼻、肺、皮膚、大腸は経絡的に繋がっていると考えます。
守る力すなわち衛氣に関係が深いのが漢方でいう「肺」「脾」「腎」です。漢方でいう五臓「肝」「心」「脾」「肺」「腎」は実際にある臓器そのものをさすのではなく、呼吸や消化といった機能や役割を示す用語です。この「肺」は呼吸という働きによって衛氣を全身に運ぶ作用を司っているため、肺の氣がなくなった状態「肺氣虚」では、呼吸が浅い、汗をかきやすいなどの守る力の不足がおこります。
次に守る力と関係の深い「脾」。脾は胃腸等の消化系を指し、食べたり、飲んだりした物を消化、吸収し、エネルギーに変換する作用を司っています。
食欲がなかったり、下痢をしやすい人は衛氣の原料となる栄養不足になったり、逆に暴飲暴食は消化不良になり十分な氣が作り出せなくなります。
そして衛氣に関係している最も大事なものが「腎」です。漢方で言う「腎」は木でいうと根っこのようなもので、生命力の貯蔵庫のようなものです。生まれつき身体が弱い、強いを決めるのは「先天の腎」といいますが、西洋医学でもアレルギー体質は遺伝しやすいことが分かっているように親から受け継いだものもあります。この「腎」は成長や発育を司るのですが、過労、睡眠不足、ストレスや老化でも、腎が痛めつけられて、貯蔵されているエネルギーが消耗され、守る力が不足します。これらの「肺」「脾」「腎」を丈夫にすることがアレルギーになりにくい、身体づくりになるのです。
衛氣不足の原因
アトピー、花粉症、じんましん、ぜんそくといったアレルギー疾患は急増しています。近年これらの病気が増えてしまったのは何といっても、日本人におけるライフスタイルの変化が原因としてあげられます。快適な車やエアコンの普及。経済活動が24時間になり、夜型生活や深夜の就業の増加。化学物質でできた製品の氾濫。ごみの処理などによる環境の悪化。そのうえ情報化社会、リストラ、不況という大変なストレス社会などといったことも原因の一つで現代病と言ってもいいかもしれません。ファッション重視で肌の露出が多い姿で、冷房のよく効いた部屋にいるのをよく見かけたり、日本人は冷たいものや生ものを好んで食べます。これらは身体を芯から冷やすことになり身体を温めるエネルギーを消耗してしまうことになります。これらの原因が衛氣を不足させる原因なのです。
これらひとつひとつが、運動不足、不規則・不摂生な生活、体温調節がうまくいかない「クーラー病」、大気汚染からくる疾患、睡眠不足、食べ物によるアレルギーといった諸問題を引き起こし、さらにそこからさまざま国民病ともいえる現代病を引き起こしているといえます。これらの病気は、すぐに命にかかわるような事ではありませんがいずれも免疫力の狂いが根底にあり軽視はできません。